毎年、秋冬になると楽しみにしている鍋物はたくさんありますが、必ず食べないと落ち着かないほど大好きなのがこのせり鍋。この鍋の時、鶏はあくまで旨みだしのための脇役で、せり、ごぼう、舞茸の滋味深い香りを味わうための土台となります。
三つ葉やにらほど強い主張はせず、かといって水菜ほど控えめでもない清冽な香りと味わいはせりならでは。
せりを「美味しい」と感じられるようになったとき、大人になったと感じたものですが、今となっては艶めかしいほどひげ根の伸びたせりを売り場で見かけたら、思わず吸い寄せられてしまう体になってしまいました。
材料と作り方
※2人分
- せり 2把(200g)
- 鶏もも肉 1枚(300g)
- ごぼう 1本
- 舞茸 1袋
- 長ねぎ 1本
- だし汁(ここでは昆布と鰹の合わせだし) 5カップ
- A
– しょうゆ 大さじ3
– 酒 大さじ2
– みりん 大さじ1
- せりは水に放ちしゃっきりさせておいてから、7〜8cmくらいに切る。根本の泥を竹ぐしや新品の歯ブラシなどを使って丁寧に落とす。(泥が取れにくい時は、ひげ根部分を縦2つ割にしてから洗う)鶏肉は一口大、ごぼうはささがき、長ねぎは1cmの斜め切りにする。舞茸は食べやすくほぐす。
- 鍋にだし汁を入れて温め、A を加えて煮立てる。鶏肉、ごぼう、舞茸を入れ、あくが出たら取り除き、せりの根、長ねぎを加えて蓋をする。再沸騰したらせりの葉、茎を加えていただく。
せりはひげ根が一番香り高いと思います。根本がスポンジ状になった水耕栽培のものは通年手に入りますが、旬にはぜひひげ根も召し上がってください。
ただしひげ根が全体に黒ずんでいるものは泥臭く、食べても美味しくありません。ひげ根の先まで白くて新鮮なせりを見かけたら、ぜひトライしてほしいなと思います。